ミルフォード トラック  (Milford Track)
ミルフォード トラックは、「世界で一番美しい遊歩道」と呼ばれ、世界中のトレッカー垂涎のルートである。南島も最南端に近い「フィヨルド地方」にあり、テ アナウ湖の北端から、クリントン渓谷の底を歩き、マッキノン峠を越えてミルフォード渓谷に下り、ミルフォードサウンドのフィヨルドに出る全行程56kmのコースを、実質3日間で歩き通す。(ガイド付ツアーでは、アクセスとフィヨルド見物を入れて4泊5日となる)。コースは一方通行で、個人のトレッカーも、コース上の3つの小屋で各1泊の日程を守らなければならない。

ミルフォードトラックは自然保護の為、1日の入山者はガイド付ツアー客48名、個人トレッカー40名と厳しく制限されており、なかなか予約が取れないというが、我々はシーズン終わりだったせいか、インターネットで予約が出来た。我々のグループは定員一杯の48名で、日本人は我々2人だけ、殆どがオーストラリア人と地元NZ人達だった。大半が我々同様の中高年で、孫の話題も盛んだったが、ドッシリおじさんもコロコロおばさんも健脚で、日本の中高年登山ツアーのペースに慣らされた我々は、かなり一生懸命に歩いてもドンドン追い越された。

雨天は山歩きの楽しさを半減するが、ミルフォードは世界第二位の多雨地帯で、雨量は年間5千mmにも達する。雨も天気のうちとハラを決め、5日間濡れて歩いたが、雨を気にしない白人達は「雨のおかげで羊歯がきれいだねえ」などと喜んでいた。しかし、我々はやはり青空と氷河渓谷の絶景を仰ぎ見たかったし、小生の腕前では雨天の山の写真は撮れない。

ルートバントラックでもガイドの働きぶりに感心させられたが、ミルフォードで我々に付いた4人のガイド達も、夫々献身的なサービスぶりを見せてくれた。トップのガイドは休憩小屋に先行して温かいお茶で我々を迎え、しんがりのガイドがキチンと後片付けをして追いついてくる。キッチンのない峠には大きな魔法瓶を何本もかつぎ上げる、個性的なユーモアも発揮して疲れを忘れさせてくれる。こういうゼイタクな登山経験のない我々は少なからず感動させられ、4泊5日のツアー料金は安くないが、十分納得できる満足感があった。
@氷河が深く削り取った渓谷の底から、1千mの断崖を見上げながら歩く。 A雨林のブナに絡みつく苔や羊歯の間を縫って進む。 B小鳥たちは人間を怖がらない。ブッシュロビン(コマドリ)も靴の先をつつきにやってくる。Cキューイに似た飛べない鳥(名前を忘れた)。 Dこの地方特有の山岳オウム「キーア」、名前とおりに大きな声で啼く。知能指数は犬以上ともいわれ、小屋周辺で様々ないたずらをするらしい。 E2泊目のパンポローナロッジに着いたら青空が出た。翌朝の峠越えの天気を期待したが、やはり雨だった。 Fロッジの談話室。我々が到着する頃、先着は既に宴たけなわ。 G3日目はコース唯一の峠越え。標高差7百m、登山道の傾斜が1/8程度に抑えられていて歩きやすい。 Hマッキノン峠はルート開拓者の名前が付けられたもの。 I峠の避難小屋は「トイレからの世界一の眺め」が自慢。雲間からちょっとだけ見えた。  
J世界一の遊歩道を名乗るだけあって登山道の整備は完璧。木道は滑り止めが施してある。 Kつり橋が随所にあり、人数制限も明記。 Lサザーランド滝。落差540mは世界で5番目という。ミルフォードトラックの開発は、この滝の観光用として始まった。滝見はオプションだが、3日目の峠越えの後、ロッジに着いてから往復1時間半の行程は少々きつい。Mトレッキング最終日は22kmをひたすら歩く。 Nこのランチ小屋は吹きさらしだが、これはこれで趣がある。 Oコース最後の名滝。 Pゴールはサンドフライポイントの船着場。サンドフライはごく小さなアブだが、刺されるといつまでもかゆい。 Q4泊目はミルフォードサウンドのホテル。夕食後にコース踏破の終了式が行われる。 RS5日目は観光船でミルフォードサウンドのフィヨルド観光の後、クイーンズタウンまで5時間のバスの旅で全行程を終わる。
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