バヌアツの首都ポートビラは、島々が点在する入り江に面した美しい町です。背後の小高い丘に教会がある様子など、少し大げさに言えば、「松島と長崎を足したような景色」と言えないこともありません。町そのものが観光地で、市内にもそれなりに立派なリゾートホテルがあります。お客様はオーストラリア人やニュージーランド人が大半ですが、観光地として有名なニューカレドニアからも結構来るようです。

一時は日本人も多かったそうですが、今はあまり姿をみかけません。ポートビラは人口4万人ですが、首都としてそれなりに都市化していますから、バヌアツの豊かな自然や伝統的な暮らしを本当に知るためには、別の島まで足をのばす必要があります。でも、ポートビラから車を30分も走らせれば、雰囲気の一端を味わえそうな観光コースも数多くあるようです(小生はまだ見ていませんが)。

今回はポートビラ散歩の第一回目として、ポートビラ空港と、町の中心部で撮った写真をご紹介します。

ポートビラ国際空港は市から5km程のところにあり、着陸時は入り江の奥に町が見える。 国際空港は人口20万の国に見合ってこじんまりとしている。ターミナルは日本のODA無償援助で建設された。
市街の背後に「フレンチの丘」と呼ばれる展望台があり、町を一望できる。塔は第一次大戦を記念したものだが、それ以上の来歴は知らない。 「フレンチの丘」からイリリキ島のリゾートが見える。共同統治時代にイギリスの総督が住んでいたという。宿泊客でなくても無料のフェリーで訪れることが出来る。
目を右に転ずると、小生が住居にしているビジネスホテル(ブルーの建物)が見える。職場まで徒歩5分で昼食も自炊可能。(昼休みが2時間あり、殆どの人が家に食べに帰る。 フレンチの丘を更に登ってふり返ると、生い茂る樹の枝の間から海が見えた。
右に曲がると首相官邸。つつましい建物には好感が持てる。この国の官庁の建物はどれも質素である。 更に5分ほど歩くと博物館の前に出る。バヌアツの昔の生活をしのぶ品々が展示されている。
博物館横の「Chief's Nakamal」は100を越える部族チーフ(酋長)の代表者の集会所。伝統的文化の伝承について大統領に意見を言う。

集落の集会所(若衆宿)もナカマルと呼ばれ、「仲間」の動詞化のようで面白い。日本語と共通した単語は他にもあるようだ。

ナカマルの向かい側のモダンな国会議事堂は中国が寄贈。

つい先日、新首相が台湾を訪れて国交樹立を約束したとかで、これから中国と複雑なことになりそうだ。