「バヌアツでいったい何をしているの?」、というご質問をいただきますが、バヌアツ商工会議所が行う「ビジネス研修」事業のお手伝いが小生の仕事です。

同会議所は、「通商・観光省」の外郭団体のような存在で、バヌアツ人による商工業振興を目的として1996年に設立されました。その事業のひとつに「ビジネス研修」があります。しかし、当国の主要ビジネスは殆どが外国人経営で、現地人によるビジネスは、零細な商店や食品産業、木工、運輸業(個人タクシー)等に限られているのが現状です。ビジネスそのものが未成熟な段階にあるので、研修のニーズも確立していません。国民の7割が6年間の義務教育を満足に受けていない状況の中で、どのようなビジネス研修をすればこの国の将来にとって有益なのか、模索しつつ試行を進めようとしているところです。

小生は研修の企画や素材作りをお手伝いして、講師は現地人のビジネス経験者や在住オーストラリア人などに委託します。小生も一部の講座を担当しますが、現地の人たちにとっては安くない受講料を頂戴しますので、少々緊張しております。資料作り等で昔の同僚の皆様などにご支援をいただいておりますが、バヌアツの経済自立に向けて、今後ともご協力賜りますよう、この場をお借りしてお願い申し上げます。

本年度の講師陣です。もっと現地人の講師を起用したいのですが、人材が限られており、また、白人(オーストラリア人)の方がお客様が集まる、という事情もあり、このような混成軍になりました。なお、後列の小生隣が小生の相棒で、商工会議所の研修事業を仕切っています。黒光りする人達に取り囲まれ、小生も貧乏神風の不精ひげで対抗しております。

右はバヌアツ商工会議所の全景です。(正式にはポートビラ商工会議所なのですが、バヌアツで実質的な活動をしている唯一の商工会議所なので、普段はそのように呼ばれています。) 建物は50年ほど前に建てられたコロニアル風民家を転用したもので、居間や寝室、廊下などをそのまま事務所として使っています。 小生のデスクは右端の窓の奥にありますが、寝室だったらしく電灯が無いので曇りの日は辞書が読めないことと、風通しにやや難があります(もちろん冷房はありません。) 庭にはマンゴーの巨木や様々な熱帯の植物があり、パソコンとの睨めっこに疲れた時は庭を散歩するのが楽しみですが、真夏の晴天時は控えざるをえません。隣家は普通の住居で、ニワトリの一家が塀をくぐってよく遊びに来ます。

早くも2月半ばになってしまいました。年末は海外赴任を理由に年賀状を欠礼させていただきましたが、留守宅から回送されたたくさんの年賀状を拝見して恐縮しております。本ホームページをご覧いただいてる方々には、本近況ご報告をもってお返事に代えさせていただきたく、重ねてのご無礼をお詫び申し上げます。