バヌアツは83の小さな島々が集まった群島で、その殆どが火山島である。

その内の63の島々に人が住んでいる。彼等は約4千年前に北の島々からカヌーに乗ってやってきた海洋民族で、たどりついた島の入り江で定住を始めた。自然の恵みが豊かなので、住み着いた小さな集落の中で、原始的な自給自足の生活を続けることができた。

農業が発達せず、交易の必要もなかったので、強大な権力者が生まれなかった。夫々の集落では、実力のある者が酋長に選ばれ、世襲になることはなかった。

19世紀半ばにヨーロッパ人が入植し、彼等に使われたり、半奴隷として島外に連れ出されたりした者も少なくなかったが、伝統的な仕組みは変わることなく続き、今も選ばれたチーフ(酋長)が集落の人々を束ねている。

1980年の独立後、島々は6つの行政区に繰り入れられた。夫々の行政区の呼称は、主な島々の名前を組み込んだものである。(例えば、北端のTorres諸島とBanks諸島のある行政区はTORBAと呼ばれる。)

島名のアルファベット表示は標準化されていない。例えば、南端のAnatom島は、Aneychem等と書かれることがある。