タンナ島のヤスール火山を再び訪れる機会がありました。前回は雨季の1月でしたが(別ページ参照)、今回は乾季に入ったばかりの5月上旬で、宿舎から往復5時間の長い道のりも快晴に恵まれ、吹きさらしのトラックの荷台から途中の集落の住民たちと挨拶を交わしながら走ることができました。
海抜360mのヤスール山頂の日暮れ時の空気は肌寒いほどでした。前回は立入禁止禁止だった東側の火口縁が開放され、噴火口に更に近い位置から火口を覗き込むことができました。腹にひびく地響きとともに目の前で溶岩が飛び散る様子は、二度目の経験でも度肝を抜かれます。
噴火の迫力もさることながら、新月が日没を追うように西の空に沈み、満天にこぼれるほどの星くずが広がってゆく中で、ここ何十年も見ることのなかった天の川のゆったりとした流れを仰ぎ見つつ、しばし時を忘れました。
写真の方は新しい工夫を試みたかったのですが、帰りを促すガイドに焦らされて露出の設定を誤まり、残念ながら成果は得られませんでした。やはりカメラ数台を抱えて登り、制限時間なしでじっくりと構えないとダメなようです。
ヤスールに向かうトラックに村の子供達が駆け寄る。他の国では外国人旅行者には子供達の物欲しげな手が伸びるのだが、ここでは笑顔で無償の花を手渡されることが多かった。 | ロアニアル峠から島の東海岸が遠くまで見えた。 |
同峠から見たヤスール火山(海抜361m)。薄い噴煙がたなび | 北側裾野の火山原から。噴煙が上がると、細かい降灰が風に乗ってこの辺にまで飛んでくる。 |
転手が四駆で裾野を駆け上がる余興は自然破壊的だが、踏み跡は降灰ですぐに消えてしまいそうだ。 | 近所の子供達が火山原で灰を浴びながら楽しそうに遊んでいた。 |
サービス精神旺盛な歓迎ぶり(小遣いをせびっているわけではない) | 灰を含む噴煙と赤くただれた溶岩とは別のタイミングで噴出するようだ。 |
火口東側の縁から左右に二つの火口が見え、夫々が勝手なタイミングで数分おきに噴火を繰り返す。 |