首都ポートビラから400kmほど北のエスプリツ・サント島(通称サント島)に、バヌアツで二番目の都市、ルーガンビルがある。とは言っても人口1万2千の地方都市だが、何かにつけてポートビラに対抗意識を燃やすところがあり、東京対大阪、ニューヨーク対テキサスのような関係を思わせる。

1980年のバヌアツ独立の際には、サントの分離独立を目指す激しい暴動が荒れ狂い、国連軍を呼ぶ寸前まで行った。98年の政府不正事件の際も騒然としたそうで、今も何か機会があれば再燃する可能性がありそうだ。独立前は英国とフランスが共同統治していたが、首都ポートビラで英国系の勢力が強かったのに対し、フランスがサント州を後押しした歴史も、尾を引いているように思われる。

ポートビラが観光・商業都市であるのに対し、ルーガンビルは産業都市とも言える。バヌアツの主要輸出産品のヤシ油、ココア豆や牛肉はサント島が最大の生産地であり、それらの加工施設もルーガンビル周辺に多い。バブル期には日本企業も数多く進出していたようだが、今は畜肉加工の一社が頑張っているのみである。

ルーガンビル市役所。カッコよいデザインだが、老朽化で崩れかけている。 メインストリート。午後6時を過ぎると死んだようになる。
1942年、日本軍の南下に備えて米軍が大量に駐屯。当時の兵舎が今も使われている。 フランス系スーパーマーケット。
公園の軽食堂。窓の夫々が独立した店で、200円程で栄養バランスの良い豪華昼・夕食が食べられるが、日本的潔癖感覚では「不潔」に見えるかもしれない。 公園の一隅で。
町外れを流れる川は憩いの場でもある。 工業団地にも各種の花が咲いている
ヤシ油の工場。原料即金購入の看板が出ている。 半年前に小生が講習会で提唱したスローガンが倉庫の壁に掲げられているのを発見して興奮!