小生は子供の頃から並外れて球技がダメで、ゴルフも敬遠していたが、米国勤務時代に避け難い時期があり、50歳を過ぎてから2年ほど「業務上過失」をした。しかし生来ダメなものはダメで、ホッケー状態から脱することなく終わった。それから10年余、バヌアツではボランテイアの身分でゴルフなどするつもりは無かったが、他に運動不足解消の手段がなく、1年前の一時帰国の際に思い立って古い道具を担いできた。
ポートビラにはゴルフコースが3つある。郊外には18ホールの本格コースもあるが、ボランテイアには1ラウンド4千円の負担は重く、会員優先で予約が難しいこともあって、我々には縁が薄い。残りの二つは市内のリゾート付属するもので、12ホール、9ホールの変則コースだが、低料金でいつでも気楽にプレイできるので、我々の遊び場はもっぱらこちらである。
中でも一番近い9ホールのコースは、1万5千円相当の年会費を払えばあとは一切タダ。会員同行のビジターも400円でプレイできるし、1式400円のレンタルクラブを何人でシェアしても文句を言われない。9ホール中7ホールはパー3で、ショートコースに毛を生やした程度のお遊びコースではあるが、ショートでも200ヤード近く、しかも正面の高い木越えを要求される難ホールばかりだ。技とパワーがあれば問題ないのだろうが、我々の実力ではダブルスコアさえ難しく、バヌアツ流算術に従って、5打以上は「たくさん」で済ませることにしている。
そんなハッピー・ゴルフだが難点がひとつ、ボールの消費が激しい。ヘボだからOBは仕方ないにしても、まれにフェアウェイにナイスショットしても、行ってみるとボールがない。仲間も一生懸命に探してくれるが、見つからないことが多い。フェアウェイでボールが消えるミステリーは、以下の写真でご納得いただけるだろう。
写真にご登場いただいたシニア仲間にゴルフ初体験の人がいて、不埒にも小生が手ほどきなどして差し上げたのだが、3度目に出藍の誉れを取られた。それ程に天才的にダメなゴルフだが、別に笑う人もいないので、残り二ヵ月も、大樹やカニにボールのエサをやり続けることになるだろう。(写真上に旗位置を記しましたが、ズームレンズの関係で距離感が異なります。コース上の距離はメートル表示だが、おおらかなバヌアツ流計測とお考え下さい。)
1番、178mパー3.。早朝の一打目は常に弩スライス、右の垣根を越えて入り江にポチャ。 | 2番、268mパー4。唯一素直なホールだが、右前の藪のブラックホールに吸い込まれたら最後。 |
たまにフェアウェイに飛ぶと、無数にあるカニの隠れ家にホールインワン。入ったら見えない。 | 3番、230mパー4(実際は280mあり)。グリーンは大樹の先の丘上だが、樹越えは我々の腕では不可。 |
大樹は枝をこんな具合に進化させ、ナイスショットを捕球して食う。 | 4番、154mパー3。どのクラブを使っても正面の樹を越えられず、左右の枝に食われる。 |
5番、91mパー3。正面を遮る大樹を越えたらワンオンだが、、、ここでもボールは樹のエサに。 | グリーン上のカニの私設カップは入ってもノーカウント。 |
6番、178mパー3。スライスして欲しい時には、何故かしないものである。 | 同上、フェアウェイが微妙に右傾していて、ナイスショットも海に転がり込む。 |
7番、99mパー3。グリーンは右奥の海際。渾身の力で樹越えを狙う一打は左右のブッシュに吸い込まれる。 | ヤシもポールが大好物らしく、左寄りの天ぷらは食われてしまう。 |
正面左の空間に飛ぶと海へ直行。手前で止まってくれればラッキーだが、、、 | 8番、187mパー3。正面の樹越えが狙いだが、距離を意識して力むと右の垣根を越えて海ポチャ。左に飛べばブッシュのブラックホール。 |
9番、122mパー3、実距離は80m。入り江にポチャした球は見えるが、素もぐりで回収するのは面倒。 |