ご近所の白鳥(ハクチョウ)   2007/1/27
 一眼デジカメを買い替え、「試し切り」に野鳥の撮影を思い立った。これまで野鳥など撮ったことがなかったが、ネットで調べてみると、意外にもすぐ近くにハクチョウの越冬地があることがわかった。成田空港近くの本埜村(もとのむら)で、拙宅から空港へ行く近道のすぐ脇である。 本埜村のホームページ

 行ってみると、のっぺりした平野の殺風景な景色で、田んぼが一枚だけ水を張っている。農道のプレハブ番小屋に説明書きが張られているので、この場所に間違いなさそうだが、正直に言って、本当にこんなところにハクチョウが飛来するのか、疑いたくなるようなところだ。

 だが、餌付けの午後4時が近くなると、見物人が集まり始め、やがて、どこからかハクチョウの一群が飛来し、たんぼの上を美しく旋回して見事に着水した。数分後に別の群が現れ、やがてその数は100羽を超えた。鳥達との距離があまりにも近すぎて、超望遠を振りまわしきれず、なかなか思うようには撮れない。もっとも、初回の撮影で傑作が撮れるほど、野生動物の撮影が甘くないのは承知の上である。

 ハクチョウたちは、シベリアから6000kmの長旅をして、本埜村の何の変哲もない田んぼにやってくる。近くの印旛沼に数羽が飛来したのを知った地元の野鳥愛好家が餌付けを始めたと言うが、年々この場所で越冬する鳥の数が増え、今では1000羽にも及ぶという。鳥たちの間で会話が交わされ、餌付けの風評が広がったにちがいないが、それにしても、毎年間違いなくこの場所にやってくる鳥たちの能力には、驚かざるをえない。それに比べれば、人間が持っている自然の能力など、しれたものである。
@〜D餌付けの始まる午後4時前、オオハクチョウの群が次々と飛来する。
EF 同じ田んぼには鴨も越冬している。オオハクチョウが、ゆったりと優雅に舞い、エサを撒かれてもガツガツしないのに比べると、鴨たちはバタバタと落ち着きがなく、ガサついた様子は、何となくバブル時代の日本人を思い出してしまう。
Gジャンボ機がシベリア方面に向かって飛び立った。人間が空を飛ぶには、手の混んだ仕掛けと莫大な燃料が要る。
H鳥たちに与える餌はくず米。撒いてもハクチョウたちはバタバタしない。 I現場はいたって殺風景で、ハクチョウから想像するロマンはない。
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